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| 日本の最西端に位置する八重山の与那国島にも、波照間島パイパティローマ伝説と同じように南海の彼方に楽園があるという伝説がある。その南の島は、「ハイドナン」と呼ばれている。「ハイ」は「南」、「ドナン」とは、この島への航海が困難であるという「渡難(ドナン)」に由来する与那国を意味するもう一つの呼び名である。つまり、「ハイドナン」とは、「南与那国」ということである。ここにも、島ぬ けの伝承が残る。その昔、比川村の百姓が人頭税の苦しみから逃れるため、南海に楽土があると信じ、この島を目指してひそかに脱出をしたという。その島が「ハイドナン」であった。また、与那国には、人頭税の重圧をものがたる伝承が残っている。久部良集落のはずれに広がる断崖上の台地に「クブラバリ」という約3mもある岩の割れ目がある。かつて、そこの割れ目を妊婦に飛び越させることで、人の間引きをしていたと伝えられている。「ハイドナン」の伝説と「クブラバリ」の伝承、この二つは、かつての過酷な生活 を今に伝えるものである。しかし、「ハイドナン」の伝説は、遥か南海の彼方に思いを寄せ、そこに楽土を夢みた与那国の人々が生み出した「南方への憧れ」があらわれているようである。 | |
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